About Soliton Capital..
ソリトンは、自然界のいろいろな場所で見られます。たとえば、津波や海流、サーフィンの大きな波、オーロラ、血液の流れ、遺伝子やDNAの働き、ブラックホールの形成などです。ソリトンは、エネルギーが安定して流れ、伝わる場所に必ず存在します。
例えば、大きな波は沖から岸に向かって進むにつれてどんどん大きくなり、崩れずに岸まで到達します。サーファーはこの波にうまく乗って、波乗りを楽しみます。ソリトンが無ければ、サーフィンも成り立たないと言えるでしょう。(坪井泰住著『ソリトンとは何か』より一部改変)」
私たちもまた、このソリトンの波のように、安定した強い力の基、時代の変化にも柔軟に対応し、お客様と共に安定して成長していける企業を目指して努力しております。
企業活動の一つ一つが積み重なって会計データとなり、そのデータを理解しやすい形に表現するために、貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)、キャッシュフロー計算書(CF)といった表組でまとめられます。決算書を分析することも重要ですが、特に企業様の状況を深く理解するためには、各取引レベルまで掘り下げた理解が必要不可欠だと考えております。
また、数字の分析において重要な要素として、経営者の意思や意図が挙げられます。「意思」とは、例えば絶対に世界一の企業になるのだという強い思い、必ず期日には仕事を完成させようという思い等のことを言います。「意図」とはどのようにその意思を実現するのか考え計画を立てる事、つまりベクトルを持った意志を指していると考えます。我々は、経営者の考える、意志や意図を丁寧にくみ取りながら分析を進めていくことを目指しております。
世界的な格付け機関の基準においても、経営者の意思や意図を反映した「事業リスク」と、財務資料から算出される「財務リスク」の2つの指標を用いて格付けが行われており、特に事業リスクに強いウェイトが置かれています。事業リスクは単に模倣できるものではなく、長年の経験と実績によって培われるものであるからと考えられます。
私たちも、数字を重視するだけでなく、その背景を理解し、より質の高いご提案につなげられるよう、日々努力してまいります。
ITを活用した経営効率化は非常に重要であると考えています。しかし、既存のソフトウェアには多くの機能が搭載されているものの、これらはすべての企業で使われるわけではありません。特に資金に余裕のある企業は積極的に投資できますが、そうでない企業も存在します。
そこで、必要最小限のコア機能に絞り、少人数で開発を進めることで、費用を抑えながらも効果が期待できるシステムを開発し、ご提案しています。紙媒体やエクセルで管理している小規模事業者様からは、このシステムについてご理解いただいております。データをデジタル化することで、情報を探す時間が減り、ファイルサイズも軽減されるため、これだけでも業務の効率化につながります。また、財務分析と合わせて進めていくことで、全体的な効率化にも貢献できると考えています。
さらに、AI分野にも積極的に取り組んでおり、Kaggleのコンペティションでシルバーメダルを獲得しました。こうしたビッグデータの分析知見をお客様に提供することで、蓄積されたデータを活用し、売上向上策など幅広い提案を行っていくことを目指しています。
また時間が割けるようになりましたら、Kaggleのコンペティションに参加し、ゴールドメダル獲得を目指しマスター、さらにはグランドマスターへ挑戦していきたいと思っております。
「Home Credit - Credit Risk Model Stability」では、数百万件を超えるビッグデータ(合計33GB)を活用し、より高精度な信用スコアモデルを構築するコンペティションに参加しました。データの特性や適用した複数の統計アセンブリーモデルの性質をうまく活用したことで、一定の成果を上げることができました。
我々の取り組み方は、「業界にとらわれない(Industry Agnostic)」姿勢で企業様と向き合っています。ここで重要となるのは、企業様から提供される様々なデータです。その中で最もよく目にするのが決算書です。今回は、決算書を例に考えてみましょう。
まず、損益計算書(PL)を見る際に注目すべき点は「売上の構成」です。具体的に言えば、対象市場があり、その市場シェアを掛け合わせることで売上対象顧客数や売上件数が決まります。そして、その売上件数に単価を掛けることで、売上が構成されることになります。もちろん、全てのデータが揃っているわけではありませんが、データが不足しているからといって活用しないのではなく、一定の仮定のもとで推定を行い、対象市場の想定を行うことから始めることとしております。その後、経営者の方との協議や実際の市場との対話を通じて、各パラメーターの精度を高めていきます。
こうした仮定をもとに数字を見ていくことで、初めて対象市場や販売手法を考慮する際に、業界の影響が見えてくるものと思います。「この業界はこうあるべき」という固定観念に囚われず、まずは企業の素の姿を捉えることで、様々な新しい視点が見えてくると考えます。費用項目に関しても同様に、「この業界の固定費はこうだ」と決めつけるのではなく、まずは提供されたデータを理解することから始めます。その結果、弊社では常に新たな気づきを得ることができると考えております。
貸借対照表(BS)も同様のアプローチで分析を行います。例えば「有形固定資産」に焦点を当てると、製造業の企業様は多くの場合、様々な機械設備を所有されています。特に日本の企業では、償却年数を超えた設備を大切に使い続ける傾向が強く見られます。しっかりとしたメンテナンスを行うことで、設備の寿命を大幅に延ばすことができると感じています。
そのため、各設備の使用状況やメンテナンスの状態を詳細に確認し、どのタイミングで設備の更新が必要か、またその際に補助金を活用しているか、もしくは活用できるかを検討します。こうした視点でBSの項目を一つ一つ丁寧に見ていきます。
古い設備を大切にしながら、これを活用して収益を生み出していく。この姿勢は日本特有の素晴らしい文化だと感じています。こうした資産を大切に守りつつ、新しい設備の導入も同時に検討し、次世代の製造技術に対応できる能力を高めていくことが重要です。弊社では、このような考え方を基に、財務分析を通じて資金支援を含めた総合的なサポートを行い、企業様の成長に貢献してまいります。